噛み合わせ由来の頭痛
- 2026年10月26日
- 噛み合わせ,頭痛・肩こり,噛み合わせが悪いと出る症状
噛み合わせが悪いと頭痛がでることがあります
噛み合わせ由来の全身症状の一つに頭痛があります。食いしばりや歯ぎしりがひどく頭痛が出るという患者さんもいれば、インプラントや矯正治療後に頭痛が出るようになったということで紹介される症例もあります。頭痛には様々な種類があり、また原因も色々です。噛み合わせ以外の原因もたくさんありますが、今回は噛み合わせと関連する頭痛についてのお話です。
咬合関連症
噛み合わせ由来で発症する症状を「咬合関連症」といいます。この症状の中に頭痛が含まれます。咬合関連症は現在、歯科医師の間でも大分一般的になってきました。以前は、歯科治療後に頭痛症状が出ても、関係ありませんといわれてしまう事が多かったようですが、今では歯科医師の先生から「処置後に頭痛症状が出てしまったので噛み合わせを検査してください」と長坂歯科をご紹介されるケースがとても増えています。多いのがインプラントや矯正、セラミックでかぶせものを入れた後に頭痛をはじめとした全身症状を引き起こしてしまうというケースです。歯科治療により、噛み合わせのバランスが崩れたことで、症状が出てしまった可能性が考えられます。
そういったケースでは、治療した部位だけまたやり治すのではなく、一度根本の噛み合わせについて、しっかり検査・診断をしてから治療を進めることが大切です。

噛み合わせと頭痛の関係
食べている時や話している時、人間は下の顎を動かしています。下の顎は頭蓋骨と切り離されており、顎関節というくぼみにはまっています。下顎と頭蓋骨は咀嚼筋という4つの筋肉でつながっていて、この筋肉を使い下顎は複雑に動くようになっています。
咀嚼筋には①咬筋②側頭筋③内側翼突筋④外側翼突筋という四つの筋肉があります。その中の側頭筋が頭痛と大きく関係してきます。

上の図のように側頭筋は、頭蓋骨の側頭部(こめかみ周辺)と下顎の筋突起といでっぱりをつないでいます、側頭筋が収縮することで下顎を後上方に動かします。食いしばりや歯ぎしりがあると、常にこの側頭筋が収縮し緊張している状態になります。側頭筋が頭蓋骨にギューッと張り付いてしまっているようなイメージです。側頭筋が頭蓋骨に張り付くと、神経を圧迫してしまい、頭痛を引き起こしてしまいます。また噛み合わせのバランス異常により、奥歯で噛む噛み癖が強い方も注意が必要です。奥歯で噛む癖が強いと、やはり側頭筋に緊張が見られ、先述したように頭痛を引き起こしてしまいます。
また、噛み合わせ異常により顎の位置(顎位)がずれてしまうと、頭痛を悪化させてしまいます。
長年の偏った噛み癖により、顎位が傾くと、同時に頭の位置(頭位)もゆがんでしまいます。頭位がゆがむとその位置を補うように脊髄がゆがむことでバランスを取ろうとします。体の要所要所には、そのアンバランスさのしわ寄せが症状として現れてしまい、頭痛や肩こり、首こり腰痛など広い範囲で全身症状を引き起こしてしまいます。

噛み合わせと頭痛の文献
長坂俊幸,長坂斉:聴力を指標にした歯科治療により耳症状を含む全身症状に改善のみられた症例,日本全身咬合学会雑誌26(2),48-53,2020