歯ぎしり・食いしばりで「耳症状」がでる!?
- 2026年10月13日
- 噛み合わせ,噛み合わせが悪いと出る症状,耳症状,歯ぎしり・食いしばり
噛み合わせが悪く、歯ぎしり・食いしばりがひどいと、耳症状が出てしまうことがあります。主な症状は耳鳴り・難聴(突発性難聴や老人性難聴など)・耳詰まり・めまい・立ち眩みなどです。寝ているときに歯ぎしりがひどいと、朝起きた時に耳鳴りがするということがおきます。また仕事など、何か集中しているときに食いしばってしまい、耳が聞こえにくくなるといったこともおきえます。
「耳」と「顎」は非常に密接にかかわっており、噛み合わせの問題が耳に様々な悪影響をもたらしてしまいます。今回はそんな耳症状と噛み合わせについてのお話です。
耳と顎関節は物理的に近い
噛み合わせに問題があると、顎の関節に症状が出てきます。音が鳴ったり、痛みが出たり、動かなくなったりすることがあります。この症状を総称して「額関節症」と呼びます。顎関節症は、「奥歯でばかり噛む、噛み癖」がある方によく見られます。長年、奥歯でばかり噛む噛み癖があると、よく噛んでいる歯が極端にすり減っていきますので、前歯に比べ奥歯の高さが低くなってきます。奥歯がする日り低くなると、その高さで噛める位置まで顎が沈んでいきます。その沈んだ分だけ、下顎の付け根は顎関節にめり込んでいってしまいます。

これが顎関節症の始まりです。顎を動かすと、顎関節がひっかかったり、痛みが出てきます。さて、顎関節のすぐ横に、耳の穴が位置しています。物理的に非常に近い距離にいます。下顎の付け根が顎関節にめり込んでいくと、耳の穴を圧迫していきます。ここから耳症状を引き起こしてしまいます。

食いしばり・歯ぎしりは無意識でしてしまうものです。長年の癖だったり、ストレスでしてしまいます。ほとんどの方は奥歯で食いしばり・歯ぎしりをしてしまう傾向があります。この長年の奥歯への負担の蓄積が、徐々に耳に影響を及ぼしてしまいます。
噛み合わせ由来の耳症状を治すには??
噛み合わせ由来の耳症状を治すには、噛み合わせを治さないといけません。一番大事なことは、全体でバランスよく噛むように「噛み方」を改善していくことです。偏った噛み方は「癖」によって引き起こされています。長年偏った噛み方をしていると、筋肉も偏ったつき方をしてしまうので、無意識ではずっと偏った噛み方をしてしまいます。偏った噛み癖を改善するためには、まず、ご自身の噛み方の癖をきちんと認識することが大切です。奥歯でばかり噛んでしまう方は、前歯も噛むように。左でばかり噛んでしまう方は、右でも噛むように、意識してすべての歯でバランスよく変えるようにしていかないといけません。
噛み合わせと耳症状に関する文献
長坂斉,佐藤亨、高江洲義矩、石川達也:咀嚼習癖に起因する聴力の変化、歯科学報、100:(5)、491~498、2000
長坂 斉:咬合が関連すると思われる難聴の診断および咬合改善処置-気導および骨伝導聴力について-、日本歯科保存学会誌、第116回学会プログラム抄
長坂 斉、松久保隆、佐藤 亨、高江洲義矩、石川達也:偏位咀嚼習癖者の聴力動態に関する統計的検討、第10回日本全身咬合学会、2000、11、25