歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしり・食いしばり
人間は生活するうえで、口を動かします。会話や食事はもちろんのこと、無意識でも動かしています。
何かに集中している時や寝ている間など、ご自身では気が付かない間に、噛んだり、顎をスライドさせたりすることがあります。
これを歯ぎしり・食いしばりといいます。
これらの症状が併発するときは、「悪い歯ぎしり・食いしばり」をしてしまっている時です。放置しておくと、症状が悪化してしまいますので、専門科を受診なさってください。
歯ぎしり・食いしばりの原因によって治療法は異なります。ご自身の原因を調べずに、間違った治療法をしてしまうと症状が悪化してしまう可能性があります。歯ぎしり・食いしばりの際に「マウスピース(ナイトガード)」を使用するという治療方法を聞いた事がある方が多いのではないでしょうか。初診の患者さんからも「歯ぎしりをするのでマウスピースを作ってください」と言われることがあります。ですが、歯ぎしり・食いしばりがあるからすぐにマウスピースを作るという治療は非常に危険です。
長坂歯科は日本全身咬合学会の指導医・認定医が診断・治療を行いますので、全国から多くの噛み合わせに関するお悩みを持った方が受診なさいます。その中でも、「歯ぎしり・食いしばりの為かかりつけ医でマウスピースを作ったら、症状が悪化してしまった」というご相談はとても多いです。
ご自身の歯ぎしり・食いしばりの状況に応じた治療方法を選択していくことが重要です。体にとって悪い歯ぎしり・食いしばりはおおきく2種類に分かれます。
下顎は、咀嚼筋(咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋)という4つの筋肉で頭蓋骨とくっついています。咀嚼筋を動かすことで、顎は自由に動き回れます。この筋肉が何らかの原因で異常なほど緊張してしまい、咬合力が通常よりも過度に発揮されていることで食いしばり。歯ぎしりが起きてしまう事があります。その場合は筋肉をほぐすことが大切です。また、この症例ではマウスピースを使うこともあります。マウスピースを作製し、無意識下で歯にかかる圧力を軽減する治療法もあります。
人間の歯は全部で28本あります。28本で咬合力を分散しているのですが、噛み合わせが悪く、偏った噛み癖がついている場合、偏った位置で歯ぎしり・食いしばりをしてしまう事があります。このような症例にマウスピースを闇雲に入れると、偏った顎の位置で咀嚼筋を固定してしまう事になり、顎関節症が発症するなど、より症状を悪化させてしまう事があります。ご相談いただくケースの大半はこの症例に当てはまります。このような症例の場合は、まずは全体の歯でバランスよく噛めるような正しい噛み合わせ治療を行うことから始める必要があります。
上記のように、歯ぎしり・食いしばりにも「悪いもの」と「問題のないもの」があります。悪い歯ぎしり・食いしばりの中でも原因が様々あります。必ず、ご自身の歯ぎしり・食いしばりがどれに当てはまるのかを検査・診断したうえで治療していきましょう。