食いしばり・歯ぎしりによる頭痛を治す
- 2025年9月1日
- 噛み合わせ,頭痛・肩こり,噛み合わせが悪いと出る症状,顎関節症,歯ぎしり・食いしばり
食いしばり、歯ぎしりがひどく、頭痛の症状が出てしまったというご相談は、ここ数年で非常に増加傾向にあります。長坂歯科は日本全身咬合学会の指導医・専門医が噛み合わせを検査・診断・治療していますので、全国から多くの「噛み合わせに関する不調」をお持ちの患者さんがご来院なさっています。ここ数年では、歯ぎしり・食いしばりを主訴にご来院なさる患者さんが急増しています。さらに、歯ぎしり・食いしばりでお悩みの方は同時に様々な全身症状も併発していることが多いです。今回は、食いしばり・歯ぎしりと、それに伴う症状のお話です。
食いしばり・歯ぎしりのメカニズム
食いしばり、歯ぎしりは、睡眠中やお仕事中など無意識の間に、上下の歯を過度に接触させてしまっている状況です。歯ぎしり・食いしばりと聞くと、異常なものと思われがちなのですが、日常生活では誰しもが行っている生理現象です。歯ぎしりや食いしばりそのものが悪いわけではありません。歯ぎしり、食いしばりは無意識化で噛む力(咬合力)を受け止めている状態なのですが、この咬合力をバランスよく受け止めることができていなかったり、過度な咬合力を発揮してしまっていると、様々な不調を引き起こしてしまいます。
問題になる歯ぎしり・食いしばりは以下のようなものがあります
①咬合力は正常だが、すべての歯でバランスよく咬合力を分散できていない
②すべての歯でバランスよく咬合力を分散できているが、そもそもの咬合力が異常に強い
③咬合力が異常に強いし、かつすべての歯でバランスよく咬合力を分散できていない
②の場合は筋力の問題になりますので、筋肉をほぐしていけば解決します。そのために、マッサージをしたり、マウスピースを使用して、咬合力を軽減させましょう。一方で①③の場合は、すべての歯でバランスよく噛めるように「噛み合わせ」を改善しないといけません。このような状態でマウスピースを使用しても、ゆがんでいる位置で固定したり、筋肉をつけてしまうことになり、悪化をしてしまう場合もあります。
食いしばり・歯ぎしりと頭痛の関係
上の歯は頭蓋骨から生えているのに対し、下の歯は下の顎から生えています。頭蓋骨と下あごは筋肉でくっついているだけなので、骨同士は接続されていません。筋肉を動かすことで下顎を動かしています。下顎を後上方に持ち上げる大きな筋肉に「側頭筋」という筋肉があります。
側頭筋は頭蓋骨のこめかみ部分にくっついている非常に大きな筋肉です。収縮することで下顎を後ろに引き上げます。奥歯で噛む噛み癖が強く、食いしばり・歯ぎしりを奥歯でしか受け止められない方は、側頭筋が異常に収縮してしまい、頭蓋骨を絞めつけてしまいます。こうして、噛み合わせが悪いと頭痛を引き起こしてしまいます。
噛み合わせを治すことで、異常な歯ぎしり・食いしばりを改善する
噛み合わせを治療し、すべての歯でバランスよく噛めるようにすることで、食いしばり・歯ぎしりの際に歯にかかる負担を均等化し、頭痛を防止します。噛み合わせ由来の様々な症状である「咬合関連症」を治していくには、しっかりとした歯科治療と、患者さんご自身のバランスの良い噛み方が大切です。