食いしばりと難聴:噛み合わせが悪いと出る耳の症状
- 2026年2月12日
- 噛み合わせ,噛み合わせが悪いと出る症状,耳症状,歯ぎしり・食いしばり
皆さんは、食いしばりをしますか?寝ているときや、何かに集中しているときなど、無意識で食いしばりをしてしまう癖はないでしょうか。異常な食いしばりや歯ぎしりを放置していると、耳の症状が発症してしまうことがあります。今日は食いしばり・歯ぎしりなどの噛み合わせ由来で発症してしまう耳症状についてお話します。
噛み合わせが悪いと耳に症状が出る
噛み合わせが悪いと、様々な症状が出ます。噛み合わせ由来の症状は、咬合関連症と呼ばれます。咬合関連症は、口腔内だけでなく、全身にも様々な症状を引き起こします。
→咬合関連症に関してさらに詳しく知りたい方はこちらをクリック
噛み合わせ由来の全身症状には、以下のようなものがあります。
●噛み合わせが悪いと出る全身症状
・顎関節症:口を開くと顎から音が鳴る、口が開きにくい/開かない、顎が痛い、顎が外れる
・耳症状:難聴(突発性難聴など)、耳鳴り、耳詰まり、めまい、たちくらみ、メニエール病
・頭痛
・肩こり、首こり
・腕運動障害:手足のしびれ、握力低下、四十肩五十肩
・腰痛、背中の痛み
・膝の痛み など
噛み合わせが悪いと出る全身症状で、特に注意が必要なのが「耳症状」です。長坂歯科は、日本全身咬合学会の指導医・専門医が、検査・診断・治療を行う、噛み合わせの専門医です。日本全国から多くの、噛み合わせに関する相談の患者さんがご来院なさいますが、耳症状を主訴にご来院なさる方は非常に多いです。
「噛み合わせ」と「耳症状」の関連性
噛み合わせ(顎の動かし方)に問題があり、長年偏った噛み方をしている方は要注意です。特に奥歯での噛み癖が強い患者さんは、耳の症状を発症することが多いです。長年の奥歯でばかり噛む「噛み癖」があると、奥歯がほかの歯と比較してすり減ってしまいます。奥歯がすり減ることで、奥歯の高さが低くなり、顎が後方へずれ込んでいきます。
顎が後方へずれると、顎の付け根が、顎関節にめり込んでいきます。この状態で口を開くと、顎から音がした理、口が開きにくくなったり、痛みを伴うことがあります。この状態を「顎関節症」と呼びます。さらに下顎の付け根が顎関節にめり込んでいくと、その横に位置する耳の穴を慢性的に圧迫していき、難聴や耳詰まり・耳鳴りやめまいたちくらみといった耳症状が発症してしまいます。
これがかみ合わせ由来の耳症状が発症するメカニズムです。奥歯での過度な食いしばりや歯ぎしりがある方に耳症状が起きやすいのはこのような関連性があります。

バランスよく噛むことが大切
噛み合わせを良くするうえで一番重要なことが、「すべての歯でバランスよく噛む」ということです。特定の歯にだけ過度な負担をかけるのではなく、すべての歯で噛む力を分散することで、顎を正しい位置に保ち、噛み合わせを良くします。噛み合わせが悪く、特定の歯での過度な食いしばりや歯ぎしりがある方は、まずはご自身の噛み癖を、検査・診断し、すべての歯でバランスよく噛めるように歯科治療をしていくことが大切です。
関連文献:長坂 斉、佐藤 亨、高江洲義矩、石川達也:聴力は咬合のセンサーか、日本歯科評論,Vol-61No1(2001-1)1~9
長坂 斉、中村昭二,高江洲 義矩 ,松久保 隆,星 詳子,渡辺、誠、石川達也:オクルーザルパワーゾーンにかかわる咬合機能と聴力値。日本歯科医師会雑誌、(6)、2003、215~224