顎関節症と突発性難聴:噛み合わせが悪いと出る耳の症状
- 2025年12月15日
- 噛み合わせ,噛み合わせが悪いと出る症状,耳症状,顎関節症
噛み合わせが悪いと耳の症状が発症することがあります
長坂歯科は、日本全身咬合学会に所属し、噛み合わせの専門医・指導医が治療を行っております。全国から多くの噛み合わせに関するお悩みを持った患者さんがいらっしゃいますが、ここ数年、多いのが「耳症状」に関するご相談です。噛み合わせと耳症状の関連は、一般的にも広く浸透してきましたので、今では耳鼻科の先生から直接ご紹介頂くケースも非常に増えています。
耳の症状が発症した場合は、必ず、早急に耳鼻科を受診してください。まずは耳の専門の先生に治療していただくことが何よりも大切です。耳鼻科の先生に診ていたうえで、耳には問題がなく、何かほかに原因があるのではとなった場合は、「噛み合わせ」を疑ってみてください。噛み合わせからくる耳の症状を発症する方には、以下のような特徴がみられることがあります。
・食事中や、会話中に耳の症状が変化する
・あくびをしたり、口を大きく開くと、耳の症状が変化する
・寝起きに耳の症状がひどくなる
・口を大きく開けると顎から音が鳴る(じゃりじゃり、かくかく、みしみし)
・食いしばり・歯ぎしりがひどい
・顎が外れる
など
耳症状度当時に顎関節の症状も併発しているかは非常に多いです。これらが当てはまる場合は、噛み合わせの可能性も疑って、噛み合わせの専門医を受診してみてください。
噛み合わせ由来の耳症状
・難聴(突発性難聴、感音性難聴、老人性難聴など)
・耳鳴り
・耳詰まり
・めまい(頭位めまい症など)、たちくらみ
・メニエール病
噛み合わせと耳症状のメカニズム
噛み合わせが悪いとどうして耳症状が出てしまうのでしょうか。大きな原因の一つが耳と顎関節の位置関係です。顎関節と耳は物理的にすごく近い位置にあります。

噛み合わせが悪いと、顎の位置が変動してしまいます。顎の位置が歪んでくると、下顎の付け根が顎関節にどんどんめり込んでいってしまいます。顎関節がめり込むと、耳の穴を圧迫する為、耳に症状が発症します。とくに奥歯で噛む噛み癖が強い方は要注意です。奥歯で噛む負担をダイレクトに顎関節に伝わりますので、耳に顎関節の異常な負担がかかり、難聴・耳鳴り・耳詰まり・めまいなどを引き起こしてしまいます。

噛み合わせを治して、顎関節症・耳症状を改善する
奥で噛みすぎることで起こる、顎関節症や耳症状は、噛み合わせを治療する必要があります。一番重要なことは、バランスよく噛む様にすることです。寝ている時の食いしばりや、食事中の噛み癖などは無意識に起きてしまう事がほとんどで、患者さん自身では自覚できていないことが多いです。噛み合わせの専門の歯科医院を受診し、全体でバランスよく噛めるように治療を行っていくことが大切です。
顎関節症と耳症状に関する論文
長坂 斉、中村昭二,高江洲 義矩 ,松久保 隆,星 詳子,渡辺、誠、石川達也:オクルーザルパワーゾーンにかかわる咬合機能と聴力値。日本歯科医師会雑誌、(6)、2003、215~224
長坂 斉、松久保隆、高江洲義矩、石川達也、中村昭二,鈴木宏和、星 詳子:下顎運動バランス測定器としてのオージオメータの有効性(1)日本口腔衛星学会(大阪)、2003.9.13-14.