歯ぎしり・くいしばりがひどいと、耳に症状が出る!!|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

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歯ぎしり・くいしばりがひどいと、耳に症状が出る!!|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

歯ぎしり・くいしばりがひどいと、耳に症状が出る!!

 歯ぎしり、食いしばりがひどいと、様々な症状が出てしまいます。頭痛や肩こり、顎関節症などの全身症状を引き起こすこともあります。そのなかでも注目されているのが「耳症状」です。めまい・耳鳴り・耳詰まり・難聴などの耳症状を引き起こしてしまうことが多いです。これらの症状が発症し、原因がわからないと、メニエール病などと診断されることもあります。耳の症状が発症し、耳鼻科でも原因がわからないといわれた際は、歯ぎしり・食いしばりに問題がないかを疑ってみてください。

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歯ぎしり・食いしばりとは

 そもそも、歯ぎしり・食いしばりは、人間だれしも行っています。歯ぎしり・食いしばり自体は悪いものではありません。ですが、過度な力で食いしばってしまったり、食いしばりの負担を、バランスよく受け止められないと、様々な問題が出てきてしまいます。

整理すると、悪い歯ぎしり・食いしばりには種類があります。

①歯ぎしり・くいしばりの際発揮されれる力自体は正常だが、その力をバランスよく分散できていない場合

②すべての歯でバランスよく負担を受け止められているが、歯ぎしり・食いしばりの際に発揮する力が強すぎる場合

③歯ぎしり・食いしばりの際に発揮する力が強すぎるし、さらにその力をバランスよく分散できていない場合

この3つです。それぞれに合った治療法をしないといけません。

①の場合は、すべての歯でバランスよく噛む力を分散できるように治療していかなくてはいけません。噛み合わせを良くするちりょうです。例えば、抜けていて噛めてない歯があった場合は補綴治療をする必要がありますし、歯自体は抜けていなくても、かぶせものやつめものがあっていなくて噛めていない場合は歯科治療をしないといけません。このような症例で、やみくもにマウスピースを作っても、ゆがんだ噛み合わせに合った形のものを作ることになるため、改善しません。むしろ悪化してしまうことも考えられます。

②の場合は、食いしばる際に発揮される力を取り除けばいいので、マウスピースを使用したり、筋肉をマッサージでほぐすなどの治療法を行います。

歯ぎしり・食いしばりと耳症状の関係

 さて、歯ぎしり・食いしばりがひどいと、なぜ耳の症状が出てしまうのでしょうか。顎関節と耳の物理的な距離の近さが関係しています。歯ぎしり・食いしばりがひどいと、顎関節に過度な力がかかってしまいます。特に奥歯でばかり噛む癖が強い方は注意が必要です。奥歯で歯ぎしり・食いしばりを長年続けていると、顎の位置(顎位)が後上方へと移動していきます。顎の付け根が顎関節にどんどんめり込んでいってしまいます。

 

 顎関節に下顎の付け根がめり込んでいき、慢性的に圧力がかかり続けると、その力は顎関節の真横に位置する耳にも影響を与えてしまいます。耳の穴は顎関節により常に圧迫されてしまい、耳詰まり・耳鳴り・難聴・めまいなどの耳の症状を引き起こすことになります。

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噛み合わせの治療が必要!!

 噛み合わせ由来の耳症状は、噛み合わせを治さなくてはいけません。噛み合わせが悪い状態で、安易にマウスピースなどをしてしまうと、ゆがんだ噛み合わせで顎が固定されてしまい、症状が悪化してしまうケースもありますので、必ず、噛み合わせの専門医に見てもらうようにしましょう。

 

歯ぎしり・食いしばりと耳症状についての文献

 松久保隆、長坂 斉、中村昭二、小林義昌、高江洲義矩、石川達也、佐藤亨:咬合関連性聴力低下5分類症例の聴力閾値の特徴、第14回日本咀嚼学会学術大会、徳山市.

 長坂 斉、中村昭二,青木聡、星 詳子、松久保隆、石川達也:咬合と聴力に関する臨床的研究(1)噛み癖が及ぼす聴力低下とその客観的診断法(オージオメータ);日本顎咬合学会東京、2003-6-29.