奥歯で食いしばると、耳に症状が出る
- 2025年9月12日
- 噛み合わせ,噛み合わせが悪いと出る症状,耳症状,歯ぎしり・食いしばり
噛み合わせが悪いと、様々な症状が出てしまいます。口腔内だけでなく、全身にも様々な症状が出ます。全身症状の中でも特にお悩みの方が多い症状が「耳症状」です。耳鳴り・難聴(突発性難聴や老人性難聴など)・耳詰まり・めまい・たちくらみなどです。これらの症状が出た場合は、まずは耳鼻科を受診してください。耳鼻科を受診して、耳に問題がなかった場合や、原因不明だった場合は、噛み合わせの問題を疑ってみてください。
噛み合わせと耳症状の関係性
噛み合わせが悪く、特に奥歯でばかり噛む「噛み癖」がある方は要注意です。奥歯で長年噛んでいる癖があると、奥歯がほかの歯に比べすり減ってきます。歯はすり減った分だけ、高さが低くなり、自然と顎の位置は低い方へとずれ込んでいってしまいます。
奥歯が著しくすり減り、奥歯の高さが低くなると、顎は奥歯の方へめり込んでいきます。それに合わせ、下顎の付け根も顎関節にめり込んでいきます。顎の位置が変わってしまっているため、専門用語では「顎位が変わる」という表現をします。顎位が変わると、全身に様々な症状を引き起こしてしまい、その一つが「耳症状」です。
下顎の付け根が顎関節にめり込んでいくと、物理的な圧迫が起きます。この時に、口を開けようとすると、はじめは音が鳴るようになったり、次第に痛みを伴ったり、開けなくなったりします。この状態を、顎関節症と呼びます。顎関節の真後ろには耳の穴があります。顎関節に下顎の付け根がめり込むと、耳の穴を圧迫していくため、耳症状が発症してしまいます。
耳症状をなくすためには、顎関節の負担を減らす
上記の原因で、耳に症状が出てしまった場合、耳鼻科で検査をしても、原因がわからず、原因不明と診断されてしまいます。ここ数年では、耳鼻科の先生の中でも噛み合わせと耳の症状に対する知識は一般化してきているため、耳鼻科の先生から「耳には問題がないので噛み合わせを調べてください」とご紹介いただくケースが非常に多いです。悪い歯があるのにそのままにしていたり、抜けたままの歯があるなど、口腔内の問題が思い当たる方は是非一度、噛み合わせの専門医にご相談してみてください。
噛み合わせにより、耳症状を治すために重要なのは、「バランスよく噛む」ことです。人間はどんなに気を付けていても「噛み癖」がでてしまいます。また、日本人は食文化上、お箸を持ち、お米を食べますから、どうしても奥歯でものを食べてしまいがちです。全体でバランスよく噛むには、自分の噛み癖を正しく理解し、噛めていない赤所でも噛めるようなトレーニング方法がございます。ぜひご自分に合った方法で治療をしてください。