噛み合わせを良くすることで歯周病を治す|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

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噛み合わせを良くすることで歯周病を治す|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

噛み合わせを良くすることで歯周病を治す

噛み合わせから歯周病を治しましょう

 皆様は歯周病という病気をご存じでしょうか?歯がぐらぐらする、口からにおいがする等なんとなく名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。歯医者さんで歯周病と診断され、定期的にクリーニングに通っているという方も多いと思います。初診の患者さんからご相談を受ける際に多いのが、「定期的にお掃除をしているが、クリーニングを続けているばかりで今同様状なのかよくわからない」というものです。

 当院で、歯周病の検査をし説明をすると、今まで歯周病について治療をしていたもののどういう病気か理解していなかったという方が多いです。やはり、治療を行う際は、ご自身の口腔内がどのような状況で、何のためにその治療をするのかを十分に理解する必要があります。

 今回は歯周病について、噛み合わせの専門医の観点からお話ししていきます。

 

歯周病とは・・・

 そもそも歯周病という病気はどういう病気なのでしょうか。患者さんに「歯周病って聞いたことありますか?」とお伺いするとたいていの方は「歯茎がやせたり下がってくる病気」とおっしゃいます。しかし歯周病は「歯茎の病気」ではありません。

 歯周病は「骨の病気」です。歯を支えている歯槽骨という顎の骨が溶けてしまう病気です。

 歯の根っこは歯槽骨という骨に埋まっています。歯茎はその骨の外側に張り付いています。何らかの原因で歯槽骨が溶けてしまうと「歯周病」という病名がつきます。歯周病になると歯槽骨が溶けてしまったところが隙間になります。これを歯周ポケットといいます。歯槽骨が溶けるほど歯周ポケットが深くなりますので、歯周病を診断する検査ではポケットの深さを測定します。

 歯周ポケットが深くなると、初めは食べたものが挟まりやすくなります。歯周ポケット内に食べかすが停滞する、歯茎が腫れて出血をしたり、口臭がします。また歯槽骨の吸収が著しくなると歯がぐらぐらしてしまい、最終的に歯は抜けてしまいます。

 

歯周ポケット内のクリーニング

 歯周ポケット内に食べかすが停滞したままでは、歯周病が悪化してしまいます。ご自身のクリーニングではポケット内を綺麗にすることにも限界がありますので、歯医者さんで専用の機械を使って定期的にきれいにする必要があります。歯医者さんでクリーニングをすることで、ご自身のブラッシングだけでは届かない、ポケットの深い部分の汚れを取る事が出来ます。ご自身のブラッシングに自信のある方でも3~4か月に一度は歯医者さんでクリーニングをしてもらうことをお勧めしています。

 

根本の原因の治療も大切

 クリーニングと並行して行う必要があるのが「歯周病の原因の治療」です。どんなに歯周ポケット内を清潔に保っていても、歯周ポケットが深くなってしまう原因がそのままでは解決しません。歯周病を治すためには原因を探し、治していく必要があります。

 この原因の一つとして、とても重要なのが「噛み合わせ」です。噛み合わせが悪いと歯周病になってしまいます。

 歯には、食事中や会話中、また無意識中にも噛む力が加わっています。噛む力のことを専門用語で「咬合力」といいます。歯は強い咬合力を受け止められるようにたくさん生えています。通常28本でこの咬合力を分散しています。しかし、噛み合わせに異常があり、均等に28本で咬合力を分散できなくなると、歯を支えている歯槽骨に影響が出てきます。過度な咬合力を受けなくてはいけない歯は、歯槽骨が著しく吸収し「歯周病」になってしまいます。

 噛み合わせの治療をし、歯周病の根本の原因を解決することがとても重要です。

歯周病と噛み合わせの文献

・長坂俊幸,矢野秀佳,長坂斉:聴力を指標とした咬合バランスの改善による歯槽骨の回復と全身症状の軽減した症例報告その1,日本全身咬合学会雑誌23(1),11-16,2017

・長坂俊幸,矢野秀佳,長坂斉:咬合バランスの改善により突発性難聴をはじめとする全身症状に改善がみられた症例,日本全身咬合学会雑誌24(2),56-61,2018