噛み合わせが高い/低いのって慣れるのか?
- 2025年1月20日
- 噛み合わせ,噛み合わせが悪いと出る症状
歯科治療で被せものや詰め物で治療した際、噛み合わせがしっくりこないと感じたことはありますか?初めのうちは、今までなかったものが入っているような違和感があると思います。そんな時、徐々に慣れるから大丈夫ですとご説明を受けるかと思います。基本的には、噛み合わせを考慮して治療されているのであれば、徐々になじんでいきます。詰め物や被せものを入れた後も、噛み合わせを確認をしながら調整をして慣らしていくということは必要です。また、もともと歪んでいる噛み合わせだったものを正しい位置に治していく治療であれば、長年のゆがんでいる位置で体は馴染んでしまっているので、違和感を感じてしまう事もあります。
一方で、被せものや詰め物自体の噛み合わせがあまりあっていない場合、慣れるのを待つのは非常に危険です。いつまで我慢しても馴染まずに困ってしまいます。また、噛み合わせがあっていない被せものや詰め物が「馴染んでしまった場合」も非常に危険です。歪んでいる位置で慣れてしまうと、さらに噛み合わせが悪化し、口腔内の症状だけでなく、全身症状まで発症してしまう可能性もあります。
詰めもの・被せものを入れた後も違和感がある場合は、無理して慣れようとするのではなく、きちんと噛み合わせが正しいのかを検査・診断していきましょう。
正しい噛み合わせが、楽に感じるとは限らない
「噛み合わせがしっくりくる=噛み合わせが良い」 というわけではありません。逆を言うと、「噛み合わせに違和感がある=噛み合わせが悪い」というわけでもありません。人間の身体は、ゆがんだ位置でも、順応してしまう事があります。長い年月猫背の方が、急に背筋を伸ばして生活すると、あっという間に疲れてしまいます。猫背の方が楽に感じるはずです。また、楽に感じるからこそどんど猫背が悪化してしまいます。同じように、顎の位置も、ゆがんだ位置で長いこと慣れてしまっている方が、急に正しい位置に変えると、体はその状況についてこられずに、違和感や症状を感じてしまう事があります。正しいかみ合わせにするのは、正しい位置に順応できるようにトレーニングをしていく必要があります。正しい噛み方を覚え、実践していかないと、正しい噛み合わせにはなかなかたどり着けません。噛み合わせで重要なことは、患者さんご自身で正しい噛み方をしていくということです。
一方、悪いかみ合わせの位置に慣れてしまうことにも気を付けないといけません。悪い噛み合わせの位置にあった詰め物、被せものに慣れてしまうと、より噛み合わせが悪化してしまい悪循環に陥ってしまいます。そうならないためにも、歯科医師は、詰めもの・被せものの噛み合わせの高さを決める際は、細心の注意を払って調整をしなくてはいけません。感覚で進めていってしまうと、治療になりません。
「噛み合わせ」は客観的な検査のデータを用いて診断をすることが大切
感覚で治療を進めていくことは非常に危険です。治療は必ず、客観的なデータに基づきながら診断をし、治療の経過を見る必要があります。これはどんな病気でもそうですね。例えば高血圧の方の診断は、血圧を検査しますよね。医師の感覚で「血圧が何となく高そうだな」といって決まるものではありません。治療中も、毎回血圧を測定することで、改善しているか否かを診ていくはずです。それなのに噛み合わせ治療に関してはどうしても感覚頼りで進められてしまう事が多々あります。「噛み合わせが悪そう」「噛み合わせが良さそう」というのではなく、データがこのように出ているから「悪い」「良い」と判断をすることが大切です。
長坂歯科では、様々な検査を行いながら噛み合わせの診断を行います。その検査も口腔内を診るものから、全身のバランスを診るものまで幅広く確認していきます。逆を言うと、これほど色々調べないと「噛み合わせ」は診断のつかない分野です。
詰めもの・被せものを入れる際は噛み合わせを考えながら治療すること
詰め物、被せものの治療の際は噛み合わせをしっかりと検査し、診断しながら治していくことが大切です。そのために、噛み合わせの専門性の高い歯科医院での治療をお勧めいたします。