噛み合わせが悪いと耳も悪くなる|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

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噛み合わせが悪いと耳も悪くなる|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

噛み合わせが悪いと耳も悪くなる

 噛み合わせが悪いと様々な症状が出てしまいます。そのうちの一つに「耳の症状」があります。難聴(突発性難聴や老人性難聴など)、耳鳴り、耳詰まり、めまい、立ちくらみなど、その症状は様々です。耳に症状が出た場合は皆さん耳鼻科を受診なさいますよね。耳症状は早期に対処することが非常に大切ですのでまずは必ず耳鼻科を受診なさってください。耳鼻科で、耳を見ていただいて異常が無かった際は、耳症状の原因の一つとして、「噛み合わせ」を疑ってみてください。噛み合わせと耳症状の関連は、広く知られるようになってきていますのでここ数年では耳鼻科の先生からご紹介頂くケースも非常に増えています。今回は、噛み合わせが悪いとでる耳症状についてのお話です。

 

かみ合わせ由来の全身症状(咬合関連症)

 噛み合わせの悪さが原因で、全身に出る症状を総称して「咬合関連症」といいます。噛み合わせ由来の症状という意味ですね。咬合関連症はおおきく分けて「全身の症状」と「口の中の症状」に別れます。口の中に症状が出れば、患者さんはまず歯医者さんに相談しますので、そこで「噛み合わせの問題」とすぐわかるのですが、全身症状だとそうはいきません。耳に症状があった場合は耳鼻科に行きますし、頭痛があれば内科に行きます。首こりや肩こりがある場合は整形外科や整体・マッサージなんかにも行きますよね。それらの全身症状が出て「歯医者さんに行ってみよう」にはなかなかならないですよね。ですが、噛み合わせが悪いことで全身にも様々な症状が出てしまう事がります。そういった場合は、専門の科で見ていただいても、原因が分からず、そのまま放置されてしまうといったケースも多いです。ここ最近ようやく、医科や一般的にも「噛み合わせと全身症状」の関連性が浸透してきましたので、ご紹介頂くケースも非常に多いですが、以前は原因不明性といわれて片付けられてしまう事もありました。

 また噛み合わせの相談で非常に多いのが、歯医者さんで治療を行った後に症状が出てしまったケースです。特に多いのが矯正治療後、インプラント治療後、審美治療後のこの三つです。ほとんどの方が、この三つの治療後に症状が出てしまったとご相談に来ます。また、歯科医の先生から、これらの治療後に患者さんに症状が出てしまいどうしたらよいかとご相談されます。これらの症状が出てしまう一番の原因は、噛み合わせに問題がある彼でしょう。本来、上記の治療を行う際は噛み合わせには非常に注意して、慎重に治療に当たらないといけません。以前は矯正やインプラントは専門医が治療にあたるのが主流でしたが、だれでも気軽にインプラントや矯正を行えるようになったので、このような症例が増えていると考えられます。

噛み合わせと耳の関係

 噛み合わせが悪いと、耳の症状が出てしまう原因の一つに、顎の関節と耳の物理的な位置関係があります。顎関節と耳の穴はすぐ隣にあり物理的に非常に近く、顎関節の振動は耳に伝わりやすいです。噛んだり、食いしばったりする際、その力はダイレクトに顎の関節に伝わります。顎関節にかかる振動は耳の穴にも影響を与えます。噛み合わせが悪く、顎関節にかかる負担が増えていくと、その負担が耳にも過度にかかり、耳症状を引き起こしてしまいます。

 耳は、外からくる音の振動を脳に伝える役割をしていますが、横の顎関節からも異常な振動が加わり続けることで耳鳴り・耳詰まり・難聴(突発性難聴、老人性難聴など)・めまいがはっしょうしてしまいます。

 

噛み合わせを正しくして、耳への負担を減らす

 噛み合わせを治し、耳への物理的な負担を減らしていくことで、耳の症状の改善を目指していくことが大切です。奥歯で過度に食いしばったり、噛みしめると、その負担が顎関節にかかってしまいますので、極力バランスよく噛む事で、その負担を軽減させます。

 そのためには、バランスよく噛む事がとても重要です。日本人は食文化や、食育の観点からどうしても奥歯でしっかりと噛む事を意識してしまいますが、前歯を使うことも大切です。なかなか食事中に前歯を使うことはできませんから、それ以外の時に前歯を使うように心がけていきましょう。

 ここまで、噛み合わせと耳症状の関連性をお話ししましたが、耳に症状が出た際は必ずまずは耳鼻科を受診してください。耳鼻科で症状を診ていただいたうえで、原因が分からなかったり、治療をしても治らない場合は、他の原因も考え、その一つとして「噛み合わせ」を疑ってみてください。

噛み合わせと耳の文献

長坂 斉、中村昭二,青木聡、星 詳子、松久保隆、石川達也:咬合と聴力に関する臨床的研究(1)噛み癖が及ぼす聴力低下とその客観的診断法(オージオメータ);日本顎咬合学会東京、2003-6-29.

 

長坂 斉、中村昭二,松久保隆:テーブルクリニック咬合関連性聴力低下の診断と治療 日本顎頭蓋機能学会、103~6日(大阪)、2003