噛み合わせから歯周病を治す
- 2024年9月17日
- 噛み合わせ,歯周病,噛み合わせが悪いと出る症状
歯周病と噛み合わせ
歯周病という病気をご存じでしょうか?歯茎がやせてきたり、腫れを繰り返し、重症化すると歯がぐらぐらして抜けてしまう怖い病気です。歯周病と診断されると、「とにかくたくさん歯を磨かないと」と思われるかもしれません。ですが、「しっかり歯を磨いているのに歯周病が治らない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?歯周病には様々な原因があるので、ご自身の歯周病の原因をしっかりと理解し治療をする必要があります。
歯周病の症状
歯がぐらぐらする
歯茎から血が出る
歯茎が腫れる
歯ぐきから膿が出る
歯の間に物が挟まる
歯の間の隙間が目立つ
口臭がする
噛むと痛い
歯がしみやすくなってきた
こういった症状は「歯周病」といわれます。歯は「歯槽骨」という顎の骨から生えています。この歯を支えている骨が溶けてしまうと病気が「歯周病」です。歯茎の病気と思われている方も多いのではないでしょうか?ですが実際は骨の病気なのです。
噛み合わせ異常は歯周病の原因
歯周病には様々な要因があります。磨き残しがあると歯周病菌が繁殖して進行してしまうこともありますし、持病や免疫力の低下により起きてしまうこともあります。歯周病は様々な原因から発症する病気です。その原因の一つに「噛み合わせの異常」があります。
一見すると「噛み合わせ」と「歯周病」は関係がないように思われますが、実はこの2つは密接に関係しており、「噛み合わせ」を検査する際は歯周病の状態を調べる必要があります。
歯には「咬合力」という、噛む力がかかっています。咬合力は最大で自分の体重の以上の力がかかることもあります。本来は28本の歯で咬合力を分散し受け止めています。噛み合わせに異常がおきると、過度な咬合力を受ける歯と、そうでない歯のばらつきが出てきてしまいます。過度な咬合力を受ける歯は、その歯を支えている歯槽骨が吸収してしまい、歯周病になってしまいます。
歯槽骨が吸収してしまうと、歯周ポケットが深くなってしまいます。深くなった歯周ポケット内はお掃除が行き届かず、よごれが挟まりやすくなってしまうため、歯周病菌の巣窟となってしまい、悪循環に陥ります。
歯周病が悪化すると、初めは歯茎の腫れや出血がおきます。ひどくなると、痛みが出たり膿みはじめて、最悪の場合はグラグラして抜かなくてはいけなくなることもあります。
ご自身にあった歯周病治療を
歯周病には様々な原因がありますので、それぞれの原因に対し適切にアプローチをしていかなければいけないということです。噛み合わせの異常が原因で発症した歯周病に対し、よごれのクリーニングを繰り返すだけでは一向に症状は改善しませんし、逆もまた然りです。
ご自身で、しっかりお掃除ができていても、噛み合わせに問題があると歯周病に罹患してしまいます。
歯周病を改善させるためには、まずご自身の歯周病の原因は何であるかをしっかりと分析・診断し、原因に対する治療を行っていくことが一番大切です。噛み合わせに不安がある方はぜひ一度ご相談ください。
噛み合わせが良くなれば歯周病も改善する
全体でバランスよく噛む、噛めない歯はしっかりと治療する。これらのことに注意することで歯周病が改善されます。
歯周病と噛み合わせの文献
・長坂俊幸,矢野秀佳,長坂斉:聴力を指標とした咬合バランスの改善による歯槽骨の回復と全身症状の軽減した症例報告その1,日本全身咬合学会雑誌23(1),11-16,2017
・長坂俊幸,矢野秀佳,長坂斉:咬合バランスの改善により突発性難聴をはじめとする全身症状に改善がみられた症例,日本全身咬合学会雑誌24(2),56-61,2018