かみ合わせからくる頭痛
- 2024年9月25日
- かみ合わせ,頭痛・肩こり,かみ合わせが悪いと出る症状
かみ合わせが悪いと頭が痛くなる??
かみ合わせのご相談を受ける時に、患者さんがおっしゃる症状で多いのが「頭痛」です。
かみ合わせが悪いと出る症状の一つに、頭痛があります。かみ合わせの全身への影響は一般的にも知られるようになり、かみ合わせの悪さが頭痛を引き起こしてしまうことは広く浸透してきました。頭痛を主訴としてかみ合わせ外来を受診なさる患者さんは年々増加傾向にあります。ではなぜ歯の問題であるかみ合わせが「頭痛」を引き起こしてしまうのでしょうか?
かみ合わせが悪いと頭の位置がずれる!
かみ合わせ(顎の動かし方)が悪いと、顎の位置がずれてしまいます。顎の位置は頭の位置を支えるうえで重要な役割をしています。重い頭が倒れないようにバランスを取る役割を顎の位置が担っているからです。偏った噛み方を長年続けていると、少しずつ顎位がずれてきてしまい、それに合わせ頭の位置もずれてしまうのです。
頭の位置のずれは体の各箇所に様々な症状を引き起こします。頭周辺でいうと、頭を支えている筋肉に影響が出ます。ここから肩こりや首こり、神経の圧迫などが起き、頭痛が引き起こされます。
かみ合わせに問題がある患者さんの、頭周辺の筋肉を診ると、凝り固まっていることがとても多いです。特に胸鎖乳突筋・側頭筋・咬筋の凝りが多いです。
胸鎖乳突筋
首の左右に位置するとても大きな筋肉です。頭蓋骨の側頭部と胸骨・鎖骨をつないでいます。頭の顎関節の後ろにある乳様突起というでっぱりにくっついています。左右に対になって存在し、左右から重い頭を支えてくれています。片側が収縮すると頭は反対に回転し、両方が収縮すると上を見上げる姿勢になります。頭の位置が傾くと、左右の胸鎖乳突筋に緊張が起き首こり、肩こり、頭痛につながってきます。
側頭筋
頭蓋骨の側頭部を覆う大きな筋肉です。下顎の筋突起にくっついており、顎を持ち上げる役割をしています。顎の位置がゆがむと、側頭筋に緊張がおき、こめかみ周辺に痛みがでます。くいしばりやかみしめが強い患者さんは「こめかみが痛くなる」とおっしゃることが多いのですが、これは側頭筋の痛みです。
咬筋
頭蓋骨の頬骨と、下顎をつなぐ筋肉です。筋肉が収縮することで下顎を持ち上げる役割があります。食いしばりや歯ぎしりが強いと、咬筋が緊張し顎の痛み(顎関節症)や頭痛を引き起こします。
筋肉をほぐすだけではなく根本の解決を!!
下顎に関連する筋肉の緊張をほぐすことはすごく大切です。ですがマッサージや整体で筋肉をほぐしても症状は一時的に緩和をするだけです。根本の原因を取り除かない限りは、症状は続いてしまいます。その為に、かみ合わせを治療する必要があります。
かみ合わせと頭痛に関する論文
長坂俊幸,矢野秀佳,長坂斉:咬合バランスの改善により突発性難聴をはじめとする全身症状に改善がみられた症例,日本全身咬合学会雑誌24(2),56-61,2018