「噛み合わせ」と「歯並び」|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

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「噛み合わせ」と「歯並び」|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

「噛み合わせ」と「歯並び」

かみあわせ

 「かみあわせ」って変な言葉だと思いませんか?もともとは「かみあう」とか「かみあわせる」のような【動詞】なのですが、それを無理やり【名詞】に変換して呼んでいます。歯科業界でもすごくあいまいな言葉とされていて、先生によって様々な解釈がされています。

 ・噛み合わせ 

 ・かみあわせ

 ・噛みあわせ

 ・噛み合わせ

 ・咬みあわせ

 ・咬み合わせ

 ・嚙みあわせ

 ・嚙み合わせ

 と、表記ですら全く統一されていません。当院では「噛み合わせ」という表記を使用しています。

 国語辞典で「かみあわせ」としらべると

 かみあわせ 【名詞】

 ①上下の歯が互いにかみ合うこと。またその状態。

 ②比喩として二つの物事が緊密に関係すること

 と書いてあります。「かみあわせ」の説明に「かみ合う」という単語が出てきてしまっています。実際に「噛み合わせ」と聞くと皆さまがイメージするのは、「上と下の歯が動いてぶつかる関係のこと」だと思います。

ですが「噛み合わせ」とはもう少し広範囲のお話になってきます。そもそも食べたり、しゃべったり、食いしばる時、人間の「歯」は動いていません。「歯」は「顎」から生えていて、動いているのは「歯」ではなく「顎」なのです。ということは辞典にある「歯が互いにかみ合う」ためには、「顎が動いて上下の歯が互いにかみ合う」必要があります。「噛み合わせ」とは上下の「歯」が動いてぶつかる関係ではなく「顎」が動いてぶつかる関係のことうを言います。

 この顎の動きにかかわってくる要素として、顎の関節や筋肉、骨格、歯などが関係してきます。ですので、「噛み合わせ」は「歯」だけの問題ではなく、もう少し広い範囲の「顎全体」のお話だと思ってください。

 

歯並びが悪いと噛み合わせも悪いの??

 そんな中、患者さんがよく「歯並びが悪いので噛み合わせが悪い」とおっしゃる事があります。

「噛み合わせを良くしたいので歯並びを治したい」といわれることもあるのですが、「歯並び」と「噛み合わせ」は別物です。

 先ほどもお話ししたように、「噛み合わせ」は顎の動きを見ている分野です。一方歯並びは動きではなく、歯がどんな風に並んでいるかという状態を診ています。「歯並び」が良くても顎の動かし方に問題があれば「噛み合わせ」は悪いことになります。逆に「歯並び」が悪くても、正しい顎の動かし方が出来ていれば「噛み合わせ」は良いということもあります。

 ですから、噛み合わせを検査・診断するときは、単に見た目がどうかではなく、顎の動きを調べる必要があります。

 

「噛み合わせ」についての正しい認識を

 「噛み合わせ治療」は「顎の動き」をみている分野です。顎の動きを考慮せず、治療を進めてしまうと、治療後に噛み合わせがおかしくなってしまうという可能性も十分考えられます。また、患者さんご自身が、正しい顎の動かし方をすることも非常に重要ですので、ご自身のかみ癖を検査しきちんと理解することが、噛み合わせ治療には大切です。

 

噛み合わせについての文献

 長坂 斉、水原正勝、宮内理子、松久保隆、佐藤 亨、高江洲義矩、石川達也:新しい時代の歯科治療「咬合関連症候群における生態機能計測への展開」日本歯科評論,2002-1