抜けた歯への補綴治療
- 2024年8月2日
- 噛み合わせ,噛み合わせが悪いと出る症状,コラム
抜けた歯の治療
歯が抜けてしまった欠損部を補う治療を「補綴治療(ほてつちりょう)」といいます。難しい漢字ですね。補綴治療には現在3種類あります。それぞれに特徴や適応があり、症例にあった治し方をする必要があります。
抜けた歯を放置すると・・・
抜けた歯を放置すると、様々な問題が起きてきます。偏った噛み方をすることになってしまうので、噛み合わせに異常をきたし、歯周病・顎関節症・耳症状(耳鳴り、めまい、難聴)・肩こり・頭痛・脊椎症状など広範囲に影響が出てしまいます。また、食事がうまく噛めなくなるため胃腸障害が起きたり、発音にも障害が出ます。さらには周りの健全な歯にまで影響を及ぼしてしまいます。
抜けて歯は、しっかりと補綴治療をすることが大切です。
補綴治療の種類
- 入れ歯
- ブリッジ
- インプラント
入れ歯
残っている歯に金具をかけ、粘膜に床を置くことで、欠損部位を補う治療方法です。取り外し式で、食事の後などに取り外して洗う事が出来ますので衛生的ですが、それが煩わしく感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。適応範囲も広い治療方法です。一本欠損から、全部欠損までどの欠損症例にも対応できます。入れ歯は種類も様々です。保険範囲内のレジン床というものや、噛み合わせ・残存歯のことを考慮した金属床、審美性を追求したノンクラスプデンチャーなど、さまざまな種類があります。症例によってご自身にあった入れ歯を選択していくことが大切です。
ブリッジ
その名の通り橋渡しをすることで欠損部を補綴します。前後の歯にかぶせものをすることで、欠損部にダミーの歯(ポンティック)を持ってきます。適応範囲が入れ歯ほど広くありません。前後の歯が健康で、残っている場合のみ使用できます。取り外しがない分、咀嚼時の違和感が少ないのですが、橋渡しの部分に汚れが付きやすいため、念入りで丁寧なお掃除が重要になります。
インプラント
欠損部の骨にチタン製の人工根を手術で植立し、その上にかぶせものをする補綴方法です。前後の歯にかぶせものやバネをかける必要がありません。自分の骨の中にボルトを植え込んでいるため、専用の器具でメンテナンスをしなくてはいけません。また、噛む相方の歯や、両隣の歯のバランスを考えないとかみ砕いてしまったり、抜けてしまったり、インプラント周囲炎を引き起こしてしまリスクもありますので、外科的な知識だけでなく、噛み合わせの知識が十分必要になります。
補綴治療は欠損部を補うための手段です。治療方法を選択するうえで一番大切なことは、「なぜその部位は欠損になってしまったのか」の原因を解明し、取り除くことです。欠損の原因を解決せずに、闇雲に補綴をしても、すぐに補綴物が壊れてしまったり、最悪の場合は健全だった周囲の歯をダメにしてしまう可能性もあります。
そうならないために、まずは全顎的な検査をし、状況を整理してから治療に臨むことが大切です。