噛み合わせが悪いと生じる悪循環
噛み合わせが悪いと様々な症状が出ます
噛み合わせが悪いと出る症状には様々なものがあります。口腔内だけでなく、全身にまで症状が出ることがあります。噛み合わせが悪いと出る症状のことを「咬合関連症」とよびます。咬合関連症を放置すると、そこからさらに噛み合わせが悪くなり、症状がどんどん悪化してしまう事があります。
長坂歯科は日本全身咬合学会の指導医・認定医が診断、治療を行っていますので、全国から様々な噛み合わせ症状をお持ちの患者さんがいらっしゃいます。最近では、歯科だけでなく耳鼻科や内科・整形外科や整体の先生からご相談やご紹介をうける症例も非常に増えています。咬合関連症は、一見すると噛み合わせが原因と気づきにくい症状も多数ある為、他科の先生が「原因は噛み合わせなのでは?」と紹介してくださると、随分とお勉強していらっしゃる先生なんだなぁと感心してしまいます。
咬合関連症には以下のような症状があります。
噛み合わせが悪いと出る症状(咬合関連症)
口腔内症状
・歯周病:歯がぐらぐらする、歯ぐきが下がる、噛みにくい、口臭、歯に物が挟まる
・歯肉炎:歯ぐきがぶよぶよする、歯ぐきから血が出る、歯ぐきから膿が出る、噛むと痛い
・知覚過敏:冷たいものがしみる、歯ブラシをする際痛い、甘いものがしみる、温かいものがしみる
・むし歯:歯がずきずきする、歯が痛い、歯が欠けた、歯に穴が開いている、詰め物がとれた、噛むと痛い、しみる
・根の病巣:噛むと痛い、歯ぐきから膿が出る、歯茎が腫れる、歯がぐらぐらする、噛むと痛い
など
全身症状
・顎関節症状:顎から音が鳴る、顎が痛い、顎がひっかかる、口が開きにくい、口が動かせない
・耳症状:耳鳴り、難聴(突発性難聴や老人性難聴)、耳詰まり、音が反響して聞こえる、めまい、たちくらみ、メニエール症状
・頭痛
・首こり、肩こり
・ひじや膝:関節の痛み、運動障害、四十肩・五十肩
・背中のいたみ
・腰痛
など
咬合関連症は上記の図に記されるようなメカニズムで発症します。偏った噛み方をしていると、噛み合わせに異常が生じます。噛み合わせの異常が顎の位置のずれをきたし、ここから咬合関連症が発症します。さらに、咬合関連症により、口腔内に症状が出てしまい、さらに偏った噛み方を助長して咬合関連症も悪化していくという悪循環に陥ります。
噛み合わせの悪循環をどこかで断ち切る治療が必要になります。また噛み合わせを治すには、このサイクルのどこか一つだけを治すのではなく、全てを治していかなくてはいけません。
咬合関連症に関する文献
長坂 斉、中村昭二,高江洲 義矩 ,松久保 隆,星 詳子,渡辺、誠、石川達也:オクルーザルパワーゾーンにかかわる咬合機能と聴力値。日本歯科医師会雑誌、(6)、2003、215~224
長坂 斉、中村昭二,青木聡、渡辺誠、永原邦茂、星 詳子、松久保隆、石川達也:咬合と聴力に関する臨床的研究(4)咬合関連聴力低下の偏位咀嚼の分類(試案)からみた臨床検査、全身咬合、9(1):22~30、2003.
今回のキーワード
・噛み合わせ
・噛み合わせが悪いと出る症状
・咬合関連症
・噛み合わせ治療