フッ素は何がすごいの???
- 2023年12月4日
- コラム
フッ素とは
フッ素は動植物・水・土など自然界にとても多く存在しています。人間の体の中にも歯や骨を構成する成分として多く含まれています。人間の体重1kgあたり約40mgのフッ素が含まれています。また、ありとあらゆる飲食物の中にも含まれており、人間は日常的にフッ素を摂取しています。よく歯医者さんでフッ素を塗りましょうとかフッ素入りの歯磨き粉を使いましょうと言われますが、フッ素には虫歯を守るすごい力があります。
フッ素の虫歯予防のメカニズム
エナメル質の強化
歯の表面はエナメル質という硬い組織でおおわれています。エナメル質は歯の内部にある神経(歯髄)を外敵から守っています。エナメル質はハイドロキシアパタイトの結晶でできています。フッ素はエナメル質に作用して、欠陥部分を補ったり、酸に溶けにくくなるようにフルオロアパタイトという結晶をつくってくれます。エナメル質の強度が増すことで、虫歯の予防につながります。
再石灰化促進作用
虫歯は、プラーク中の細菌が生み出す酸が、エナメル質中のカルシウムやリンを溶かすことで起こります。初期の虫歯では、唾液が作用し脱灰したカルシウムやリンを元に戻す「再石灰化」をしてくれています。フッ素はこの再石灰化をより促進する作用があり、初期虫歯の予防をしてくれます。
プラーク内の細菌への抗菌作用
フッ素はプラーク内にいる虫歯の原因菌の働きを阻害し、酸を産生する能力を抑制してくれます。虫歯の原因菌が悪さしないように手助けをしてくれるので、虫歯のリスクが減少します。
フッ素入り歯磨きと歯面塗布
フッ素を活用する虫歯予防にはいろいろな方法があります。
歯磨き粉:フッ素入りの歯磨き粉は虫歯予防に効果的です。歯磨き粉に含まれるフッ素濃度は、日本では2023年現在1450ppmが最高濃度です。毎日持続して少量のフッ素で歯を磨くことで、長期にわたる虫歯予防を期待できます。
歯面塗布:歯医者さんで、歯の表面に直にフッ素を塗る方法です。9000ppmという、歯磨剤よりも高い濃度のフッ素を歯の表面にじかに塗ることで、虫歯予防を行います。高濃度の薬液ですので、病院で行う必要があります。
フッ素を塗る頻度は?
フッ化物歯面塗布は、1回の塗布だけでも高い虫歯予防効果がありますが、歯の表面は少しずつすり減ってしまいます。その効果を高めるには、頻繁にフッ化物を歯面塗布することが大切です。通常であれば半年に一回程度が良いですが、虫歯になりやすい方などは、3~4か月に一回が望ましいとされています。
フッ素塗布の注意事項
・塗布前は歯磨きをしておきましょう
歯を綺麗にしておくことで、フッ素が歯の表面から取り込まれやすくなります。
・塗布後30分は飲食を控えてください
・フッ素を塗ったからと安心せず、その後もしっかり歯磨きをしましょう