噛み合わせ治療って何をやるの?
- 2025年9月22日
- 噛み合わせ,噛み合わせが悪いと出る症状
噛み合わせが悪いと様々な症状が出てしまいます。口の中だけでなく、全身への症状も出てしまいます。耳症状(耳鳴り・耳詰まり・難聴・めまい・たちくらみ・メニエール病)、頭痛、首こり肩こり、腕症状(四十肩五十肩)、腰痛など、症状は多岐にわたります。長坂歯科は日本全身咬合学会の、指導医・専門医が検査・診断・治療を行いますので、全国から多くの「噛み合わせに関する不調」をお持ちの患者さんがいらっしゃいます。その中でも、ここ数年では、耳症状をはじめとする、全身症状を主訴にご来院なさる方が非常に多いです。
噛み合わせが悪いとは・・・
「噛み合わせが悪い」ということは「歯並びが悪い」とは別です。ここが誤解されがちなのですが、よく「歯並びが悪いので噛み合わせが悪い」とご相談を受けることがあります。ですが、歯並びと噛み合わせは別の分野です。歯並びが悪いからといって噛み合わせが悪いわけではありませんし、逆もまた然りです。「歯並び」はあくまで審美的な歯の並び方のことを指します。一方で「噛み合わせ」は、顎の動かしか当たを見ている分野です。歯並びが良くても、顎の動かし方が悪ければ「噛み合わせが悪い」ことになりますし、歯並びが悪くても正しく顎を動かせてはいれば、「噛み合わせが良い」ということになります。
ですから、正しい噛み合わせにするためには、正しく顎を動かす必要があります。そのためにすべての歯でバランスよく噛み、噛めない歯があれば、噛めるように歯科治療をすることが大切です。
「噛み合わせをよくする」ことは「正しい噛み方をする」こと
上記のように、噛み合わせをよくするためには、正しい噛み方・正しい顎の動かし方をすることが大切です。そのために、まずはご自身の噛み方・噛み癖を調べなくてはいけません。どの歯を良く噛んでいて、どの歯が噛めていないのかを調べる必要があります。そのために、検査をすることで噛み癖を調べていきます。
噛み合わせの検査は、噛み合わせの症状を調べます。噛み合わせが悪いときに出る症状が、ご自身にどう当てはまるのか、検査で調べていきます。具体的には以下のような検査を行います。
治療をするには検査が必要
治療を進めるうえで一番大切なことは「検査」をし、結果をもとに診断することです。噛み合わせ治療は、ほかの治療と比較して、感覚や主観だよりで進められてしまうことが非常に多いです。
・歯周病の検査:歯周病は噛み合わせが悪いと出る症状の一つです。噛み過ぎている歯は、支えている歯槽骨が下がってしまうため、歯周病が進行します。歯周病の検査をすることで、過度な咬合力がかかっている歯を調べます。
・聴力の検査:聴力を調べると、どこで噛み過ぎていて、どこで噛めていないか、具体的な場所を調べることができます。
・全身のバランス検査:首の可動域や、左右の腕の重さの差などを調べ、体のバランスを見ることで、顎の位置が正常かどうかを調べます
・顎関節の検査:顎関節のずれや、顎を動かしている筋肉の張り具合などを触診で調べていき、食いしばりや歯ぎしりが関係していないかを検査します。
上記の検査をして、すべてのデータを照らし合わせたうえで、噛み合わせを診断します。噛み合わせは「顎の動き」を見ている分野ですから、口の中の症状だけを見てもわかりません。口腔内の症状と全身症状を照らし合わせたうえで診断をしていきます。
検査結果をもとに治療を
検査をすることで、「どこで噛めていなくて、どこで噛み過ぎているのか」を細かく診断します。そして、そこから噛み癖が出てしまっている原因を確認していきます。抜けてそのままの歯はないか、治療途中の歯はないか、以前治療して再び悪くなっている歯はないか。また歯には問題はなくても、日常生活での「咀嚼習癖」のせいで偏った噛み方をしてしまうことが多いです。
そこで、検査結果をもとに、噛めていない歯でも噛むことができるような「咀嚼訓練」を行います。これは非常に簡単なものです。そして、歯科的な問題で噛めていない歯・噛めない歯がある場合は噛めるように治療をすることが大切です。
このように噛み合わせ治療は①全体でバランスよく噛む②噛めない歯は治療する の2点を行っていく治療です。
どこで噛み過ぎていて、どこで噛めていないのか、無意識の咀嚼習癖から来てしまうもののため、患者さんごとに異なります。ですから必ず噛み合わせの専門医のもとで検査・診断し、治療にあたるようにしてくださいね。