噛み合わせが悪いと出る症状「頭痛・肩こり」
- 2025年10月14日
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噛み合わせが悪いと、様々な全身症状が発症してしまう事があります。また、全身症状を発症したことにより、ご自身の噛み合わせに悪さを疑う方も非常に多く、そういったご相談は年々増加傾向にあります。
また、他院の歯科医師の先生や、耳鼻科・整形外科・内科など他科の先生から、全身症状の原因として噛み合わせを診てほしいとご紹介頂くケースも非常に増えています。噛み合わせの悪さと全身症状の関連性はここ数年で一般常識として浸透しているように感じています。長坂歯科は、日本全身咬合学会の指導医・認定医が診断・治療を行う歯科医院ですので、全国から多くの患者さんが、噛み合わせ不調による全身症状のご相談にいらっしゃいます。
ここ数年で、増加傾向にあるのが「頭痛・肩こり」などの症状です。現代病ともいえるこれらの症状ですが、噛み合わせとも深く関係していますので、お悩みの方は是非一度「噛み合わせに問題があるのでは」と疑ってみてください。
噛み合わせが悪いと、顎の位置、頭の位置が歪む!!
噛み合わせと頭痛・肩こりはどのような関係があるのでしょうか。まず、噛み合わせが悪くなると顎の位置(顎位)が歪んでいきます。顎の位置は体のバランスを取るうえで実はとても重要宇な役割をしています。人間の頭は、とても重く5~6㎏あるといわれています。そんな重いものを人間は一番上に掲げながら日常生活をしています。更に、重い頭を、脊髄という一本の神経だけで支えているのでバランスを取るのも一苦労です。そこで顎の位置がバランスを取る役割をしています。例えばボクシングの試合などで顎を殴られると、立っていられなくなってしまいます。顎の位置のおかげで、重い頭の位置が保てています。
さて、噛み合わせが悪くなると顎の位置が歪んでいきます。奥歯ばっかりで噛んでいるとしましょう。長年の噛み癖で奥歯ばかりで噛んでいると、奥歯の方が著しくすり減っていきます。奥歯のすり減りが進むと、どんどん顎が奥にめり込んでいきます。
奥歯がめり込んでいる顎位になると、その顎位で頭位を支えるように、顎を前に出すようになります。頸椎はまっすぐ伸びてしまい、ストレートネックといわれます。この頭位になると首の付け根や肩に負担がかかり、肩こり、首こりが発症してしまいます。
頭位が歪むと、ゆがんだ位置でもバランスを取って二本足で生活できるように、脊椎が歪み始めます。脊椎が歪むと、首・肩・ひじ・腰・膝とそれそれ付随する部位に負担がかかり全身症状へと繋がっていきます。
さらに、顎位のゆがみにより、顎を動かす咀嚼筋にも様々な悪影響が出ます。大臼歯(奥歯)ばかりで噛んでいると、下顎を後上方へ引き上げている「側頭筋」とういう筋肉が緊張していきます。側頭筋はこめかみ部分に付着している非常に大きな鱗のような筋肉です。側頭筋の緊張により、頭蓋骨が筋肉に締め付けられ、頭痛が発症してしまいます。
これらの症状を解決するために、まずは正しく噛みましょう。人間は生活するうえでどうしても噛み癖が出てしまいます。ご自身では正しくバランスよく噛めているつもりでも、癖が出てしまいます。長年の偏った噛み方の癖が顎位を歪め、頭位を歪め、体の姿勢やバランスを歪めてしまいます。正しい噛み方を理解し、噛み合わせ治療を行うようにしてください。
噛み合わせと頭痛に関しての文献
長坂 斉、水原正勝、宮内理子、松久保隆、佐藤 亨、高江洲義矩、石川達也:新しい時代の歯科治療「咬合関連症候群における生態機能計測への展開」日本歯科評論,Vol- (2002-1)