【症例】噛み合わせ治療により頭痛と耳鳴りが改善した症例|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

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【症例】噛み合わせ治療により頭痛と耳鳴りが改善した症例|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

【症例】噛み合わせ治療により頭痛と耳鳴りが改善した症例

症例:噛み合わせ治療により激しい頭痛と耳鳴りが改善した症例

 40代男性。初診時の主訴は、「前の歯医者さんで治療した後から、激しい頭痛と耳鳴りが出てしまった」ということでした。セカンドオピニオンでご来院なさいました。長坂歯科受診前、近医で奥歯のむし歯の治療を行い、詰め物を入れたところ、激しい頭痛と耳鳴りが出るようになってしまったそうです。脳神経外科や、耳鼻科を受診しても原因はわからず、最終的には心療内科の領域といわれてしまったそうです。歯科治療直後に症状が出たことから、噛み合わせに問題があるのではと考え、長坂歯科を受診なさいました。

初診時の症状

 当院で全身症状を含め、検査を行ったところ、様々な症状が確認されました。

口腔内症状

 ・全顎的な歯周病。特に大臼歯部(奥歯)にいくにつれて歯周ポケットが深くなっている。

 ・大臼歯部の修復物にすり減りが見られ、大臼歯部での過度な咀嚼習癖が考えられる。

 ・上顎小臼歯部のクラウン(被せもの)が脱離しかかっており、同部位で噛めない状況になっている。

 ・前歯部の詰め物が破折し、欠けている状態。

全身症状

 ・左の顎関節痛、違和感、音が鳴る。

 ・左右ともこめかみ部の激しい頭痛。

 ・首の痛み、肩こりはひどい。

 ・耳症状(耳鳴り・耳詰まり・難聴・めまい)

 ・腰痛(ぎっくり腰)

 ・左右とも腕が動かしにくい。膝の痛みもあり。

 聴力検査結果

 初診時の聴力結果を確認したところ、左の低音が特に難聴傾向にあり、全体的にも左右の聴力にバラツキが出てしまっていました。聴力検査の音なのか、耳鳴りの音なのかも判別しずらいようでした。

 当院の検査により、大臼歯部(特に左)での過度な咀嚼習癖が確認されたため、前歯部で噛んだ状態で再度聴力検査を行いました。

 前歯部で咀嚼指導したとこ、一時的に左の低音の聴力が改善しました。ご本人も、前歯で噛む瞬間耳鳴りの大きさが変わるとおっしゃっていました。まずは数週間前歯で意識的に咀嚼する練習をすることになりました。

数週間バランスよく噛むように意識

 患者さん本人のご自覚的にも、昔から奥歯を使って噛んだり食いしばるという意識があったそうです。前歯を使い咀嚼指導をしたところ、初めての噛み心地だとのことでした。数週間、前歯でも意識的に噛む練習をしていただいたところ、症状にも様々な変化が見られました。

 ・2~3日に1度起きていた頭痛が一度も出なくなった

 ・顎の違和感が減り、口が大きくあくようになった

 ・24時間気になっていた耳鳴りが、小さくなり、頻度も減った

 ・腕や足が軽くなり、歩きやすくなった

 ・聴力は左の低音領域が初診時より改善された。左右の聴力地の差が改善した。

バランスよく噛めるように歯科治療を行う

 大臼歯での過度な咀嚼習癖がついてしまった要因として、①前歯の詰め物が欠けている事②小臼歯部のかぶせものが外れかけていることの二点が考えられました。小臼歯・前歯が使えない分、大臼歯に過度な咬合力がかかってしまい、それが咀嚼習癖になってしまったようです。

 当院での治療として、小臼歯部は再度根管治療を行い、クラウンを作り治しました。また前歯部も欠けている箇所を修復し、全顎でバランスよく噛む事が出来るように治療していきました。

治療の変化

 小臼歯部、治療中は仮の歯を作製しご使用いただいていました。仮歯を入れた時点で、耳症状を含めた全身症状に改善が認められました。主訴である耳鳴り・頭痛は完全に消失し、その後も再発していません。膝がとても軽くなったそうで、歩くスピードも依然と比較し警戒になったそうです。聴力地は、左の低音をはじめ全体的に改善し、左右のバランスが均等になりました。

 

 ・左の顎関節痛、違和感消失。音もならなくなる。

 ・頭痛は完全に消失。

 ・首の痛み、肩こりは改善。

 ・耳症状:耳鳴りは完全に消失・耳詰まりは疲れたりすると出るが頻度は減少・難聴改善(引き続き耳鼻科と連携し確認)・めまいは改善。

 ・左右とも腕・膝が軽くなり、スムーズに歩けるようになる。

 今回の症例では、初診時で顎位が大臼歯部に重心が偏っている状態でした。これは長年のかみ癖や食いしばりによるものが原因だと考えられます。更に前歯部と小臼歯部の歯が悪かったことで、より大臼歯部にかかる負担が過重になっていたようです。そのような顎位で大臼歯部の治療を行ったため、咬合関連症が発症してしまったようです。大臼歯部単一の治療であった通しても、必ず顎全体の動きと位置を確認しながら治療を行うことが重要です。