抜けた歯を放置していたら様々な症状が出てしまった症例|長坂歯科|田町・三田の歯医者・歯科|噛み合わせ治療・お口の検診

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抜けた歯を放置していたら様々な症状が出てしまった症例

噛み合わせ治療の症例集

症例.抜けた歯を放置していたことで様々な症状が出てしまった症例

 60代男性。初診時の主訴は「歯科治療をずっと放置していた。耳症状や顎関節症状が出たのでいろいろと調べたら、歯を放置しているのが原因ではと耳鼻科の先生に言われた」とのことでした。30年以上前に、左下の奥歯がぐらぐらして、抜歯をしたそうです。その後、右下、左上と順番に歯周病で歯が抜けていったそうです。当初はかかりつけの歯医者さんがあり、入れ歯を作ったそうなのですが、違和感が強く、次第に入れなくなってしまったそうです。その後、かかりつけ医へは足が遠のいてしまい、欠損部はそのままになって数年がたつそうです。噛みにくさは感じつつも特に支障がないためそのままにしていました。ある日、朝起きると左耳の甲高い耳鳴りがして、すぐに耳鼻科を受診したそうです。その数年前にも一度耳鳴りとめまいが生じ耳鼻科でメニエールと診断されたことがあるそうです。耳鼻科を受診したところ、検査では異常はないので耳は関係ないと診断され、耳鼻科の先生から「長年抜けた歯をそのままにしているのが問題なのでは?」と長坂歯科を紹介されました。

初診時の状況

 初診時、当院で聴力測定を行ったところ、左の聴力が低音のみ極端に低下している状況でした。口腔内を拝見したところ、左の上下大臼歯部(奥歯)・右下大臼歯部が欠損していました。全顎的に歯周病も進行し、残存歯の歯周ポケットも4~5mmと深くなっている箇所が見受けられました。

 欠損部は長年、入れ歯などの補綴物を入れていなかったため、顎の位置が大臼歯で噛みこむように変形し、入れ歯をいれる上下のスペースがなくなってしまっている状況でした。

噛み方の改善から行い、顎位を治す

 当院で検査・診断を行ったところ、長年の大臼歯での過度な咀嚼習癖が確認されました。その為、大臼歯が順番に喪失し、過度な咀嚼習癖の根本を治さずに入れ歯を作ったところ、入れ歯にも過度な力がかかり、痛みが出てしまったという状況です。

 現時点で単に、大臼歯の欠損部に入れ歯を作っても、また痛みが出て入れられなくなってしまうか、かみ砕いて割ってしまうか、または前の支えの歯もダメにしてしまう可能性が高いです。そこでまずは、大臼歯部での長年の咀嚼習癖を無くしていくことから始めていきました。全体でバランスよく噛むような噛み方を改善し、また入れ歯の支えになる歯の治療を行いました。また咬筋をはじめとする咀嚼筋や胸鎖乳突筋をほぐし、食いしばりの軽減も目指しました。

噛み合わせを考慮しながら入れ歯を作製

 噛み方の練習を続けながら、欠損部には入れ歯を作り補綴治療を行いました。入れ歯の噛み合わせを決める際は、全身のバランスや聴力をデータとして用いました。入れ歯完成後も微調整をし、引き続き、奥歯以外でもまんべんなく噛む様に咀嚼訓練をつづけました。

 入れ歯を入れてから、耳鳴りの症状が軽減し、聴力も改善しました。顎関節の症状も改善し、入れ歯も痛み無く使用する事が出来るようになりました。

 

欠損になってしまった根本を治すことが大切!!

 今回の症例では、欠損部を長年放置していたことで、症状がでていた状況ですが、そもそも欠損になってしまった根本を解決しないといけません。根本を解決できていない状況で入れ歯を作っても、結局は痛くて使えないの繰り返しになってしまいます。今回の症例の根本原因は「噛むとき、大臼歯で過度に力をかけてしまう癖がある」ということですので、そちらをしっかりと解決したうえで補綴治療に臨みました。