咬合関連症・顎関節症に対処するには

 咬合力は甚大で、たえまない、噛み癖や喰いしばりは、歯の咬耗(すりへり)をお越し、やがては歯の周囲から支持組織である歯槽骨の変形や破壊をもたらす結果となるのです。その結果下顎が正常に頭を支える機能が失われ、頭位置が右や左また前後に傾斜を起こします。
そのことは、体中心軸脊椎系の変形に移行し、側湾症や猫背などの姿勢悪化がおきるのです。
さらに脊椎椎間板の狭窄などを起こすため、その部分に存在する各種神経や血管の圧迫を行うことで、その領域下の知覚や運動機能の低下がおきると考えられます。
これらの症状の主なものとして、肩こり、腕のしびれ、腕運動機能低下、足の痺れなどがあり、さらに各種内臓の機能低下などが起きやすいのです。
これらのかみ合わせ不全が原因の各種全身にいたる症状群を咬合関連症といいます。
これらの全身症状を治療する上で最も重要な事は、影響を及ぼす各身体の部位の専門家の意見を参考にする事は、至極当然と思うのです。
したがって、これからの歯科治療に必要な事は、それらの関連の専門家の意見を取り入れた,医科・歯科連携のチームを作る事が最重要事項と考えます。

医療連携の成功した症例
うつ病と診断され、長期間入院の患者の改善例
整形外科・頚椎X線による咀嚼部位診断

医療連携:長坂歯科
ほりクリニック(耳鼻咽喉科)
岩崎整形外科

治療経緯
4年前、うつ病と診断を受け入院中の患者様が、妹に付き添われ来院する。
『現在うつ病で、ある病院に入院していますが、最近歯が悪く噛めなくなり、このままでは、栄養が採れなく衰弱することが心配で』と その時の症状は、①頭痛②肩こり③腰痛④めまい⑤難聴⑥言語不明瞭⑦歩行障害(一人ではまっすぐ歩けない)⑧顎関節音・痛・開口障害など顎関節症の主要症状を呈していた。
かみ合わせ治療後、不定愁訴が減少しうつ症状が消失したため退院

歯科治療内容
•補綴による咬合改善(前歯・大臼歯)
•聴力測定による 咀嚼部位診断および指導
•治療結果の聴力値およびレントゲン写真での判定
•歯科医・耳鼻科医・整形外科医による診断および結果判定

発症時の整形外科によるレントゲン写真

奥噛みによる頚椎変形と不定愁訴

1・奥歯噛みによる大臼歯部の低下
2・頭位置の後方転移
3・頭部重心後方移動
4・第5・第6頚椎屈曲
5・椎間板圧迫のため肩こり・首が曲がらない・腕運動機能障害などが発生
6・大臼歯部で噛みのため低周波低下型難聴が見られる
7・首の回りの筋肉が頭位置を保持し続けるため、筋緊張型頭痛がみられる。



歯科治療完了後の整形外科によるレントゲン写真

前歯部咀嚼による頚椎改善
1・前歯部噛みによる頭位置の前方転移
3・頭部重心の正常化
4・第5・第6頚椎屈曲部の回復
5・椎間板圧迫のため肩こり・首が曲がらない・腕運動機能障害などが改善
6・聴力の改善(イコライジング・スタビライジング)
7・首の回りの筋肉の緊張が取れることによる頭痛の改善 8・姿勢改善によりふらつきがなく、歩行改善




まとめ
咀嚼習癖は頭位に影響することが、歯科と整形外科のコラボレーションで、はじめて確認された。
頭位が原因で、頚椎の変形が起きているということを写真という物的資料で提示することができたのです。

[参考症例]
耳鼻科にて、老人性難聴と診断を受けた患者さんのかみ合わせ治療による気導聴力・骨伝導聴力の改善症例[詳しく]